「自分で買うなら」と決めたミントグリーンのスズキ・ラパン
私が初めて自分で選んだ車、それはミントグリーンのスズキ・ラパンでした。
現在も私の大切な相棒として活躍してくれている愛車について、購入までの道のりと、その後の思い出をつづってみたいと思います。
免許取り立ての頃は母のおさがりの車に乗っていた
自動車免許を取得したばかりの頃、私は車に対して全く興味がありませんでした。
むしろ「運転は難しい、絶対に私には向いていない」という強い苦手意識を持っていたのです。
免許を取得した理由も、特別な憧れがあったわけではなく、「いつか必要になるかもしれない」という程度の軽い気持ちでした。
初めての運転は緊張の連続で、ハンドルを握るたびに手に汗をかいていたことを今でも鮮明に覚えています。
「信号を見落としたらどうしよう」「急な飛び出しがあったら対応できるだろうか」など、様々な不安が頭をよぎりました。
そんな状況だったので、車選びにこだわる余裕などなかったのです。
「最初は練習用だから、万が一ぶつけてしまってもそれほど痛手にならないように」という現実的な考えから、母のおさがりの車を私の名義に変更して使うことにしました。
この最初の車は灰色の小型セダンで、特に個性があるわけでもなく、若者が乗りたいと思うようなデザインでもありませんでした。
ただ、初心者マークを貼って、毎日の通勤や買い物に使う中で、少しずつ運転に慣れていきました。
最初は高速道路に乗るだけで心臓がバクバクしていた私ですが、半年ほど経つと、徐々に運転の楽しさを感じるようになっていました。
道路状況を読んだり、車の性能を活かした運転をしたりすることに、小さな達成感を覚えるようになったのです。
いつの間にか自分の車が欲しくなってきた
運転にも慣れ、初心者マークを外せるようになった頃から、私の中で少しずつ変化が起き始めました。
毎日のように乗る車だからこそ、「自分らしさ」を表現できるものがいいのではないか、と考えるようになったのです。
母からもらった車は機能的には問題なかったのですが、やはり地味な印象は否めませんでした。
通勤途中に見かける個性的な車に、自然と目が向くようになっていました。
特に、明るい色の小型車を見ると「素敵だな」と感じるようになったのです。
「若い今だからこそ選べる色、デザインがあるはず」という思いが芽生え、次第に新車購入への憧れが強くなっていきました。
カタログを集めては眺め、ディーラーのウェブサイトをチェックする日々。
車に興味がなかった私が、いつの間にか車のことを考えるようになっていたのです。
社会人としても少し余裕が出てきた2年目の終わり頃、ついに「自分の車を買おう」と決意しました。
貯金も少しずつ増え、ボーナスも出たこともあり、財政的にも新車購入のタイミングが整ってきたのです。
友人たちにも「新車を買おうと思ってる」と話すと、「何色にするの?」「どんな機能がほしいの?」と聞かれ、具体的に考える機会が増えました。
自分の好みや優先したい機能について、真剣に向き合うようになったのです。
こだわりのミントグリーンとの運命的な出会い
どんな車種にするか考えた結果、私はスズキのラパンに決めました。
コンパクトなサイズ感と丸みを帯びたキュートなデザイン、そして運転のしやすさに惹かれたのです。
また、燃費の良さや維持費の安さも、社会人になりたての私には大きな魅力でした。
車種は決まったものの、一番の難問はカラー選びでした。
ディーラーに足を運んでは、展示されている様々な色のラパンを眺め、想像を膨らませました。
落ち着いたブラウン系は大人っぽく、長く乗っても飽きがこないだろうと感じました。
一方、当時はまだ珍しかったミントグリーンは、見るたびに心が躍るような鮮やかさがありました。
「ブラウンは無難だけど、本当に好きなのはミントグリーン」という葛藤が数週間続きました。
友人や家族に相談すると意見が分かれ、さらに迷いが深まったほどです。
決算期で車が安く手に入りやすい時期が近づいてきた頃、再びディーラーを訪れました。
そこで再びミントグリーンのラパンを見た瞬間、「これだ」という確信が湧きました。
「若い今しか選べない色」という当初の思いを思い出し、思い切ってミントグリーンを選ぶことにしたのです。
購入手続きを終え、納車日を待つ間は、毎日が期待で胸が膨らむ日々でした。
カレンダーに印をつけて、納車日までカウントダウンしていたことを覚えています。
そして、ついにその日がやってきました。
ディーラーで鍵を受け取った時の興奮は、今でも鮮明に思い出せます。
陽の光を浴びて輝くミントグリーンのボディは、私が想像していた以上に素敵でした。
初めての新車、初めての自分で選んだ車。
その瞬間から、私と愛車との長い付き合いが始まったのです。
あれから数年が経ちましたが、悩みに悩んだ末に購入したミントグリーンのラパンは、今でも現役で私の相棒を務めてくれています。
通勤や買い物、友人との小旅行など、様々な場面で活躍してくれる愛車に、心から感謝しています。
時には「もっと大きな車にすれば良かったかな」と思うこともありますが、街中で私の車を見つけやすいというメリットもあります。
駐車場でもすぐに見つけられる個性的な色は、結果的に正解だったと感じています。
今では「私=ミントグリーンのラパン」というイメージが定着し、友人たちにも「あの色、本当に似合ってるね」と言われることが増えました。
初めは車に興味がなかった私ですが、自分で選んだ車を持つことで、車への愛着が生まれ、ドライブそのものを楽しめるようになりました。
これからも大切に乗り続けていきたいと思います。